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耐震 シン・ローコスト住宅(地震力について)

1.震度と地震加速度、周期グラフ

震度と地震加速度、周期グラフ

2.地震震度とその他関連表

震度 計測震度 地震Gal 地震規模
3 2.5以上 3.5未満 5-15  
4 3.5以上 4.5未満 15-50
5弱 4.5以上 5.0未満 50-90 中地震
5強 5.0以上 5.5未満 90-150
6弱 5.5以上 6.0未満 500以上 大地震
6 6.0以上 6.5未満 150-300
7 6.5以上のすべて 300-500

3.震度と地震加速度

上記グラフや表は地震波の周期、加速度と震度との関係を表したものです。

実際の地震波はさまざな周期の波が含まれているので、仮に周期1秒の波が同じ振幅で数秒間続くとすると、震度7は、3成分の合成値で約500gal以上の地震加速度が建物に加えられていることを示しています。

これが周期0.1秒の波になると2,700gal以上になると読み取れます。

4.地震加速度と層せん断力係数

層せん断力係数との関係は、中地震 50年に1度 Co=0.2(80~100gal)、大地震 500年に1 Co=1.0(300~400gal)と見込んでいるとのことです。

今回表ではCi=0.20を100gal Ci=0.30を400galとして計算しました。

様々な係数をかけたCiは別表のとおり、0.2以上となります。

5.建物への地震力の計算方法

建築基準法では、Co≧0.2のベースシア係数で中程度の地震(この地震力を外力とした設計を1次設計(許容応力度計算)と呼び)、大地震時でCo≧1.0のベースシア係数(2次設計(保有水平耐力計算)時の外力)と考えています。

許容応力度計算では大地震を検討できないようにみえますが、Coは0.2以上とすることができるので、Coに係数をかけてCiを0.3を以上とします。

Ciを大きくし、建物への地震力を大きくすれば、より加速度の大きい大地震にも対応できると考えます。

許容応力度計算
保有水平忍耐力計算

耐震 シン・ローコスト住宅①

耐震性能 等級表

※横スクロールでご覧ください。

建物諸元(実際の設計建物を例としました)
2階地震荷重 1.56kN/㎡ αi=∑W2/∑W1 T=0.03h h=h1+h0/2 Ai=1+(1/√αi-αi)x2T/(1+3xT)
1階地震荷重 1.71kN/㎡ 2Wi 131.77kN h1= 5.992 1/√αi-αi= 0.971
壁長(X) 7.735m 1Wi 144.44kN h0= 1.771 2T/(1+3xT)= 0.255
壁長(Y) 10.92m ΣWi 276.20kN T= 0.2063 Ai= 1.247
床面積 84.47㎡ αi= 0.477
総2階建て 51.0坪
Co 0.3

表1

枠組壁工法 壁量計算 必要壁量算定 地震力算定(1)
階数 床面積 枠組壁工法 基準法 枠組壁工法 性能表示
基準法 等級2 ZEH等級(3) Ki Z
係数 必要壁量 地震力 係数 必要壁量 地震力 係数 必要壁量 地震力
2F 84.47 15 12.7 24.8 18 20.83 40.83 31 35.87 70.31 1.37 1.0
1F 84.47 29 24.5 48.0 45 38.01 74.50 53 44.77 87.74 1.00 1.0
必要壁量算定式= 等級2 軽い屋根 1階 {45×k1×z}×s1 2階 {18×k2×z}×s2  
必要壁量算定式= ZEH等級 軽い屋根 1階 {53×k1×z}×s1 2階 {31×k2×z}×s2  

表2

枠組壁工法 許容応力度計算 必要壁量算定 地震力算定(1)
  Σwi Ai Co Z Rt Qo Afi 基準法(令46条表2の2)
(Co=0.3)               係数(Co) 必要壁量 地震力
2F-XY 131.77 1.247 0.3 1 1 0.0196 88.50 1.00 13.28 33.04
1F-XY 276.20 1 0.3 1 1 0.0196 88.50 1.00 25.67 55.52
必要壁量算定式=(Ai・Co・Z・Rt・Σwi)/(Qo・Afi)

表3-1

枠組壁工法 許容応力度計算 必要壁量算定 地震力算定(2)
等級2 等級3 等級3+ 等級3++ Ci 0.72
(Co=0.3) 0.3×係数 必要壁量 地震力 0.3×係数 壁量 地震力 0.3×係数 必要壁量 地震力 0.3×係数 必要壁量 地震力
2F-XY 1.25 35.53 61.64 1.50 42.64 73.97 2.00 56.86 98.62 2.50 71.07 123.28
1F-XY 1.25 59.71 103.58 1.50 71.65 124.29 2.00 95.54 165.72 2.50 119.42 198.90
必要壁量算定式=(Ai・Co・Z・Rt・Σwi)/(Qo・Afi)

表3-2

耐震等級・計算方式・地震の震度等(途中式はぬいてあります。1階の結果のみです)
評価建物/耐震等級 計算方式 Ci(地震層
せん断力係数)
地震力
(kN)
許容せん
断耐力
表層地盤の
地震加速度
(cm/s/s)(gal)
(独自計算)
速度(cm/s)
(kine)
震度 地震内容 加速度と速度の仮定式
加速度(F)=vx2πf
地震用荷重
276.2(kN)
158.0(kN) 速度(v)=F/2πf
周期(f)=1.0Hz
基準法(壁量計算) 0.200 48.0 158.0 100 16 震度5強 (中地震)
耐震等級2 性能表示 (壁量計算) 0.310 74.5 158.0 320 51 震度6強 まれに発生する地震動
(数十年に1度)
耐震等級3 性能表示 (壁量計算) 0.366 87.7 158.0 432 69 震度6強 (大地震) 極めてまれに発生する地震動(数百年に1度)
耐震等級2 許容応力度 0.375 103.6 158.0 450 72 震度6強
耐震等級3 許容応力度 0.450 124.3 158.0 600 96 震度7 熊本地震前震 92kine
兵庫県南部地震 112kine
耐震等級3+ 許容応力度 0.563 155.4 158.0 825 131 震度7 熊本地震本震 133kine
0.600 165.7 158.0 900 143 新潟県中越地震 148kine
0.675 186.4 158.0 1,050 167 北海道胆振東部地震 157kine

表4

耐震 シン・ローコスト住宅②

1.性能表示(壁量計算)と許容応力度計算

表1から表4までで、性能表示と許容応力度計算の壁量と地震力の計算結果を簡単に作ってみました。

理由は、巷でいわれている性能表示での壁量計算は許容応力度計算より劣るという言説。このことを検証してみようと思いました。

弊社はもともと2×4のフィートインチモジュールを採用しており、性能表示での尺モジュールの計算はNGとされたため、許容応力度計算法による「2×4壁式2」というソフトを使わざるを得ませんでした。

怪我の功名というべきか、図らずして構造計算を最初からすることができました。

逆に今回久しぶりに性能表示の計算をすることができ、興味深いものがありました。

評価する建物の性能表示耐震等級3と許容応力度計算等級2について、必要壁量を比較すると耐震等級3(性能表示)は44.77、耐震等級2(許容応力度)は52.85となり、耐震等級3(性能表示)より耐震等級2(許容応力度)の方が多くの壁量を必要としています。

(理由は「2×4壁式2」はCo=0.3で最初から地震力の係数Co=0.2を1.5倍していました。)

(註、壁量等は耐震等級3(性能表示)のほうが少ないのですが、引き抜き力金物は耐震等級2(許容応力度)より、耐震等級2(性能表示)のほうが強度の強い金物を使い、量も多いです。)

2.地震力と許容せん断耐力

せっかく表を作ったので、ここでも例をあげて示します。
評価する建物1-5での地震力は124.3、それに対し許容せん断耐力は158.0です。

意味するところは124.3./158.0=1.27なので、地震力より設計した建物のほうが、せん断耐力が上回るので、耐震等級3という評価は耐震用の壁自体ではOKとなります。

許容応力度計算ではそのほかの評価することがいくつもあるので、壁自体としました。

地震力と許容せん断耐力

3.表層地盤の地震加速度

同じ震度7「極めてまれに発生する地震(数百年に1度)」でも、表4で見るとおり震度7の表層地盤の地震加速度には幅があります。
震度7「極めてまれに発生する地震動(数百年に1度)」の地震加速度は500gal以上です。

そこで、耐震等級3+や耐震等級3++を考えてみました。許容応力度計算での地震力は地震用荷重にCi(地震層せん断力係数)をかけたものです。

なので、等級3の建物にさらに係数(1.25、1.33、1.50、1.60)をかけて建物を評価する計算をしました。

等級3+1.25の地震力までは設計した建物の許容せん断耐力の評価はOKですが、等級3+1.33以上ではNGとなります。

Ci=0.60以上の実際の設計はまだしていませんが、NGとなった建物の対策は壁量を増やす、金物を強化する等が必要があります。

NGとなった場合でも、建物が倒壊するかというと、許容せん断耐力は降伏せん断耐力の2/3程度の値と考えると、損傷するかもしれないが、倒壊まではしないと考えられます。

表層地盤の地震加速度

4.等級3以上の建物

2×4の仕様規定を守った住宅はほとんどの場合、等級3を取得できるはずです。

それ以上の構造耐力を考える場合は構造の検討が増えます。

具体的には窓を小さくして耐力壁をふやす、内壁に構造用合板を追加する、梁のせいを高くする・等級を上げる、耐震用金物を強化する、基礎幅を増やす、鉄筋径を大きくする等です。

5.シン・ローコスト(2×4工法)とは

2×4工法は特段のメーカー独自工法ではなく、国に認められた標準的な工法です。

大手ハウスメーカーでも小さな工務店でも、2×4の仕様規定を守ることで、おなじ構造品質が得られます。

2×4工法は、あれこれお金をかけずに強度のある建物が得られます。

これを当社はシン・ローコストといいます。

地盤について

1.ハザードマップと地盤

ハザードマップは各自治体のWebで確認できます。

また地震については、「J-SHIS」(防災科研)に詳しく地震動による速度や加速度を見ることができます。

「J-SHIS」での能登半島地震の評価は、地震の地震動の評価をできていなかったことからも、地震というものは予測できないものです。

日本にいる限りどこでもおこりえます。何はなくとも耐震等級3以上の建物を建てることが賢明と考えます。

2.地盤の評価と対策

地盤の判定は、長期的な地盤沈下、短期的な液状化について判定できます。

側方流動は別途検討が必要です。

地盤沈下については、多くの効果的な工法があり、建物への被害はほとんどなくなっています。

液状化対策については、昭和30年代の新潟地震の知見から公共建築物等に有効な地盤へ杭を打つということが効果的な対策となっています。

住宅にも同様なことが適用できます。

地盤の評価と対策
地盤の評価と対策

側方流動は、地域ぐるみで取り組む方がより安全となりますが、私権を制限することのない官地でのインフラ工事や公共工事で取り組む場合が多いようです。

3.地盤と建物

建物敷地の地盤は見た目ではわかりません。

地盤沈下の対策のため鋼管杭を20m杭打ちした場所が、地盤改良の必要ない場所より、揺れにくく液状化もしない。逆に地盤改良の必要のない場所が、揺れやすかったりします。

また、敷地内での位置によって悪い場所が出たり、隣地がOKでも、自分の敷地ではNGがでたり、全く違う評価が出ることがよくあります。

地盤のよいとされる地域で、なにもなければよいのですが、地盤沈下の判定が出た場合でも、地盤改良か杭打ちだけですむので、それでよしとして耐震等級3以上の建物を建てましょう。

震度6強以上の地震が、能登半島地震を例にしても予測・評価できていない地震が全国いたるところで発生しています。

耐震等級3以上の建物とすることは決して品質過剰ではありません。